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なつゆき。

夏と行き、夏が往き、夏に逝く

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鍋⑤

一二月二七日・午後


 事情聴取というものはどうにも肩が凝る。ただ話を聞くだけならまだしも取調室のようなせまい個室で一対三くらいの割合でおこなわれるがいけないと思う、あれでは相手に委縮効果をもたらすばかりだ。実際に委縮しっぱなしだった健二は普段から凝っている肩を少しだけ伸ばし、途中でばきりと嫌な音がしたので無理はさせずにぶらんと振り子のように垂らした。これ以上は確実に攣る。専門家でもないのに馬鹿をして悪化させては元も子もない。
 人通りの邪魔にならないように比較的閑散としている場所に立ち、道路をはさんで反対側にずらりと伸びる行列から佳主馬を目で捜し出しながら健二はそっと息をついた。誰が聞いているわけでもないが誤解のないように言っておくと別に佳主馬に対してのため息ではない。ただもう人の多さにうんざりしていた。
 わざわざ意識して見ようとしなくてもまわりは人、人、人。記憶がたしかならば銀座や秋葉原のような歩行者天国ではなかったと思うがそれでも人はありとあらゆる空間にあふれている。時おり通る軽トラックや乗用車が迷惑がられるほどの数の暴力。年齢、性別、職種、国籍を問わない人間が群れを成して闊歩している様は彼のジブリアニメの名言を髣髴とさせ、同時に、何年か前にやっていた深夜アニメを思い出させる。キレた奴らが集う街。健二よりもう少し年上の人ならばウエストゲートパークのイメージが強いのかもしれない、東京都豊島区池袋。かつては東洋一の高さを誇ったサンシャイン60をランドマークとし、いまやオタク的な意味で秋葉原とならんで世界的にも注目されている繁華街だ。
 カレンダーの上では平日も平日だというのに池袋が人であふれているのはいつものこと、それにプラスして大学生以下は冬休み真っ只中だ。高校の物理部OBや大学で知り合った女子、OZでのバイト仲間であるプログラマー等々の職に就いている人たちに言わせれば年末こそが勝負らしいが健二には関係のない話。年明け寸前までお疲れさまですとしか言いようがない。駅の東口から出るときに構内でやたらとキャリーケースをもっている人を見かけて、海外や旅行先で新年を迎えるのだろうかとボケをかますほど無知ではないつもりだ。数年も前から世間に浸透しはじめたサブカルチャーのイベント各種はそういうものがあるんだよといった感じで広く知られている。参加している人たちにとっては余計なお世話だろうなあとニュースの特集を見ながら他人事的に思ったものだ。
 それにしても人が多い。年末の買い出しやらセールやら、後は単純に遊びにきただけ。












・爆弾焼き
・事故の経過
・OMCの予定(新年企画)
・サンシャイン水族館⇒パンダイルカのこと⇒小さいころに両親と見にきたっていう話題
 話題の出所はOZでよく見かけるパンダイルカ

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